【体験談】 LingoChampがおもしろい!

発音はコミュニケーションの武器のひとつ

語学を習得するのに、“壁”に感じるのは発音ではないでしょうか。多くの英会話学校で、ネイティブスピーカーが講師であることを謳っていますし、オンライン英会話でもネイティブのレッスンはちょっと高めに設定されています。それだけ“発音がいい”ことに価値があるように見えますが、ネイティブといっても出身国によってまったく違う発音をする単語がいくつもあるので、その“価値”がどれほど高いものなのか、実はよくわかりません。

英語話者は、相手の発音を聞いてその人の出身地がだいたいわかります。日本語で、「櫛」のことを「く」にアクセントを置いて話すのを聞いたら、「この人は関西の出身かな?」と思いますよね。それと似たような感じ。発音はあなたのアイデンティティが現れるもので、日本語を母語とすることを隠したい場合以外はカタカナ英語で話してもまったく問題はありません。 たとえばシンガポールやマレーシアの人が話す英語は「Singlish(シンガポール英語)」と呼ばれ、英語の方言のひとつとして地位を確立しています。ビジネスの世界ではイギリス人がオーストラリア英語をバカにすることがないように、シンガポール英語もバカにされることはありません。なにか思ったとしても、「シンガポールから来た人かな」程度。逆に、発音がきっかけで出身地の話になり、「シンガポールで友人が働いていて、いつか遊びに行きたいと……」のように、トピックができるくらいです。発音はある意味、コミュニケーションの武器として使えます。

会話で実践! LingoChamp

とはいえ、そのトピックスまでもっていく語学力がないんだって! という人も多いのも事実。特に発音にこだわる人は相手に「え?」と聞き返されただけで自信を失い、苦手意識がどんどん深まり、話し出すことができなくなるループに陥ってしまう。筆者の友人の英語教師が「日本の学生は語彙力も文法もほかの国の学生に比べて群を抜いて優秀なのに、話せない子が多い」と言っていたので、語学力はあるのに、発音を気にしているのかねぇ、と思うしだいです(あと、まちがう勇気とかね)。

そこで! 最近見つけた英会話勉強アプリ、『LingoChamp』を活用して、「ネイティブみたいな発音じゃないとしゃべっちゃいけない症候群」を解消することを提案します。前置きが長くなりましたが、やっと本題です。

LingoChampは数ある英会話学習アプリのひとつで、前回ご紹介したDuolingoと同様に無料で使用できますが、課金することでレッスン内容をカスタマイズできたり、学べるコースが無制限になるなどできることが増えます。会話や発音に重点を置いているようで、テーマに合わせてAIと会話する機能もあります。ただし、AIですからあまり柔軟ではなく、決まった文法や言い回しでないとクリアしないことも。とはいえ、ある程度英語を勉強しているものの、発音が気になって発話自体に躊躇してしまう、といった人にはかなり有効な練習方法でしょう。逆に、文法などを学習するコースはすべて有料版なので、初心者にはハードルが高いかもしれません。

もうひとつの特徴的な機能は、ほかのユーザーとチャットルームでテーマに沿った会話もできること。慣れてきたらそちらで人間相手に実践することもできます。1日5回まで、最大10分間自分を含め定員4人のチャットルームで会話することができ、自らテーマを打ち立ててチャットルームを開くことも可能。テーマを自分で決められるなら、話が盛り上がりやすそうです。定員オーバーのルームはただ誰かの会話を聞くだけという参加もOK。ちょっと前に流行ったClubhouseのようですね。ただし、オンライン英会話のように相手が講師なわけではありませんから、根気よくこちらの話を聞いてくれたり話題を提供してくれるということは期待しないほうがいいでしょう。相手もまた、英語を勉強している仲間なのです。

役者になりきって自信をつけよう

このLingoChampで筆者のお気に入りは、「ダビング機能」があるところ。自分の発音をダビングして聞いてみるのですが、これ、映画のせりふや有名人のスピーチなどを台本として用いて話すことができるのです。無料版では数に限りがあるものの、オリジナルと同じ速さ、発音で話すことが求められるので難易度が高い! 「簡単」と書いてある未就学児向けのアニメでも、ベッタベタのイギリス英語だったりするので、使っている単語は簡単でも真似するのは簡単ではありません。しかし……だからこそおもしろいッ(JoJo風)。どれだけオリジナルに近いかどうかはパーセンテージで示されますが、特にクリアしたりするものではないので、「Perfect!」が出るまでやり直すこともできます。何度もやっていたら演技力もあがりそう。ほかの人が録音したものも聴けるのですが、びっくりするくらい上手な人もいて、「ひょえ~っ」となります。でも、その人もまた、何度も何度も練習したのに違いありません。

このダビング機能を使って女優を目指せば(←違)、表現力もつくでしょう。演者の表情などもよく見て真似るとさらにいい感じ。エマ・ワトソンやレオナルド・ディカプリオとまったく同じ発音で話せる言葉がある、というだけでエーペラな感じがして、自信につながりませんか? これは「シャドーイング」という語学習得メソッドのひとつですが、LingoChampでは映画やスピーチの映像とともにトライするので、エンターテイメント性があっておすすめです。役者さんも、役柄に合った話し方をするので、いろいろなクセのある話し方が見られるのもお楽しみどころ。ちなみに、『ちびまるこちゃん』など日本のアニメ作品も英語に翻訳されているのですが、せりふが多くてけっこう大変です。早口で話す練習にもなりそうです。

3日間の無料トライアルもあり

Duolingoでは広告を観ることで毎日やっても終わらないくらいのコンテンツを利用することができますが、LingoChampは広告を観れば無料という設定がないので、できることはかなり限られています。どうしても無料にこだわる場合、はっきり言えばこれだけでどのくらい学習効果があるかは疑問ですので、オンライン英会話やテキストなどほかの学習方法と併用するのがいいでしょう。お試しで3日間の無料トライアルがあるので、そちらを利用してみてから決めてもよさそう。いずれにせよ、ハマる予感がしませんか?

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